チセづくり屋根編その1
北海道がとても冷え込んだ1月の3連休、元気にチセづくり作業を行いました。
ひたすら屋根の垂木を上げては縛る作業を行い、かなり家らしくなってきました。
<かなり家らしくなってきました>
初日。
この日の作業が安全にできますようにオンカミ(お祈り)してから開始です。
軽トラで運んできた茅をしまったり、
足場や梁に積もった雪をおろすなどの準備作業をしまして
いよいよ作業開始です。
ポンペさんと雪ちゃんは材の皮剥き。
皮がついていると樹皮の下に害虫がついたり、腐りの原因となるので皮を剥くことも大事な仕事なのであります。
私と中川さんはチセ作業。
リカニ(垂木)の根本を削(はつ)りまして、
それを持ち上げ、予め桁に掘っていた穴に差し込み固定しまして、
キタイオマニ(棟木)に縛り付けていきます。
縛るときには定番の角縛り。ブッシュクラフトのロープワークがこんなところで役に立つんですねー!
黙々と作業していると、お客様が来訪。
なんと、紋別アイヌ協会の畠山会長が激励にきてくださいました!
畠山エカシを囲んで1枚。
寒い中、作業は続きます。
が、無理は禁物。作業場には薪ストーブで火を焚いて、暖を取りながら安全に作業します。
雪ちゃんが薪ストーブで何やらやっていますよ。
おしるこを作ってくれていたのでした!
おしるこで身体の中から温まります。
夜はエカシ二人と宴。
何気ない会話の端々にたくさんの学びや教訓があります。
お二人から学ぶ歴史や文化、それに対する考えや思いなど、文献や教科書などからは得られない生きた知見をたくさんいただいていると思います。こういう時間はとても貴重なので大事にしていきたいものです。
2日目
この日は見事な快晴。シピラサコタンから樺戸山地の山々がキレイに見えます。美しいなぁ。
おや?ポンペさんが何やらカンジキを手にとっていますよ?
<ポンペさんなにしてるの?>
そのカンジキを雪ちゃんが装着。
カンジキを履いた雪ちゃんがフィールドを散策に行きました。
何やら手に持っていますが、それは何でしょうか?
ジャーン。
ツルウメモドキを採取していたのでした!
これがいったい何になるんでしょうか?
答えはお昼ご飯の後に・・・
<なかがわさん、こたえおしえて>
さて、ツルウメモドキからはとても強い繊維がとれるのです。かつて、アイヌ民族の方々はツルウメモドキからも糸を作って利用していたのですねー。
オヒョウやシナのように発酵させたりせず、割いて皮を剥いて寒ざらしして糸にするのだそうです。
ということで、急遽『ツルウメモドキから繊維を採ろう!ワークショップ』開催です!
中川さんから綺麗に効率よく皮を剥く技を教えていただいて、
みんなでトライするのです!
割いて皮を剥いたあとはどうするのでしょうか?続きは翌朝に。
さて、午後も頑張ります!この日は旭川から木こりでハンターの里山部・清水さんが応援にかけつけてくれました!
昨日と同じようにリカニを持ち上げて
合わせてみるのですが、
削りが甘かったり、丸太の曲がり具合でうまく棟木に乗っからない!
いままで順調に来たのですが、難しい局面に来たようです。。
ケトゥンニ(棟木を支える三脚)が外側に大きく曲がっていたため、垂木が干渉してしまっっていたのでした。
そこで、ケトゥンニとリカニがぶつかる部分を削って組み合わせることにしました。
それなりの太さの材を削るため、チェーンソーのブラッシングで削ります。
きこりの技が唸る!
ぴったり合いました!私の右肩の後ろのあたりが削って組み合わせた部分。
日が沈む時間になりまして、すっかり冷え込んできました。
髪の毛にかかった吐息が凍るほどの寒さ・・・・
今日はここまでにしましょう。
3日目
おはようございます。昨日よりも一段と冷えこみました。
あらゆるものが
凍りつく寒さです
さて、昨日採取したツルウメモドキの皮をさっと茹でました。
するとあら不思議。
外皮が綺麗に剥けますね。
外皮を取り除いた内皮を冷たい雪の上に晒すと、、、
数時間経つと、こんなに白くなりました!
この後、この繊維をカエカ(繊維をよって糸をつくること)しながら丈夫な糸をつくっていくのです。
しかし、ツルウメモドキ、労力に対して得られる繊維の量が少ないですね・・・これほど苦労して作る糸は貴重に使っていたのでしょう。モノの少ない時代に自然から得られる恵みをコツコツと作って利用してきた知恵と技に頭が下がります。
さて、3日の助っ人は常連組の苅谷さん。ものすごいスピードで作業が進捗します。
上から覗くとこんな景色。
あっという間に北側の垂木が全部上がってしまいました!わー!
ということで、みなさん3日間お疲れ様でした!来月もよろしくお願いします☆
「アイヌの家『チセ』を建てる」1月共同作業のお知らせ
【3連休はチセづくり!】
さて、2017年からNPO法人ハチドリ主催で開催している「チセづくり」事業ですが、冬でも元気に開催しますので謹んでご案内申し上げます。
1月は12~14の3連休で共同作業!雪が積もったので屋根作業もだいぶやりやすくなりました!
当日の作業としては
・リカニ(垂木)をいい感じの長さに切る!(手鋸 or チェーンソー)
・桁に垂木を載せる受けを掘る!(ノミ)
・受けにハマるように垂木の根本を削る!(斧 or 鉈)
・垂木を持ち上げる!(腕)
・それを縛る!(巻き結び & 角縛り(十字架縛り))
の繰り返しな感じになります☆
なんというかアウトドアとかブッシュクラフトに役立ちつスキルが自然と身につきそうですね!
生活に役立つ(?)アウトドアスキルも身につけられる上に、総監督・総指揮の石井ポンペさんや中川淳さんと一緒に作業することでアイヌの歴史や文化について学ぶことができる貴重な機会と思います☆
正月明けの3連休、一緒にチセづくりしてみませんか?
現場近く(車で5分)には温泉もありますので、冬の野外作業の後に温泉に入ったりするのも一興ですな。
たくさんのみなさんの参加をお待ちしております!
詳細は以下のイベントページからどうぞ。
ブログはじめ
新年明けましておめでとうございます。
2019年になりまして心機一転新たなブログを始めることにしました。
今後ともよろしくお願いします。
正月は会社もお休みにしてゆっくり過ごす予定だったのですが、新十津川駅で振る舞い酒をすることを聞きつけて急遽応援に駆けつけました。
看板犬の梅吉も大活躍でした!
今年は廃線特需でたくさんのお客様が新十津川駅に来てくださると思います。大勢のお客さんに対して、今、何をアピールしてどんなサービスを提供するか、廃線後にその方々にまた来ていただけるようなことを考えたいですね。
そして廃線後の駅周辺含めたハードとソフト両面でのまちづくりが大事になるんじゃないかなぁと思っております。
増毛や夕張などの先行事例に学びつつ、新十津川ならではのまちづくりに期待したいですね!
今年もよろしくお願いします。